Contents
仮想通貨(ビットコイン)の税金はいくらから支払う必要があるのか?
2017年4月1日にこのようなQ&Aがタックスアンサーにありました。
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
(所法27、35、36)
国税庁タックスアンサー より引用
「タックスアンサー」とは、税金に関する問い合わせの多い案件を種類毎に検索することができる国税庁のホームページにあるQ&Aのことです。
仮想通貨(ビットコイン)で利益が出たときに税金を支払う必要があるのかは気になるところですよね。
私「たまがく」は、もしかしたら仮想通貨(ビットコイン)はまだ新しい技術だから、税法上の位置付けが決まっておらず、税金は納めなくてもよいのでは?などど、淡い期待を抱いていましたが、残念ながらその期待は見事に裏切られてしまいました。涙
仮想通貨(ビットコイン)で手にした利益には税金がかかります。
では、どうのように、いくらから税金がかかるのかが気になるところですよね。
今回の記事では私「たまがく」が調べた仮想通貨(ビットコイン)の税金について書いていきます。
仮想通貨の税金は利確したときに発生する?
まず、仮想通貨(ビットコイン)の税金に関して論点となるものが2つあります、
【1】仮想通貨(ビットコイン)の使用範囲
【2】税法上のどの所得に分類されるのか
【1】仮想通貨(ビットコイン)の使用範囲
使用範囲とは、仮想通貨(ビットコイン)を使ったときに利益がでたら税金を払う必要がありますよ、ということです。
どういうときに税金を支払う必要があるのか?を知るには、国税庁の仮想通貨(ビットコイン)に関するタックスアンサーの「使用」という言葉の範囲を考える必要があります。
仮想通貨(ビットコイン)は、税務上は通貨ではなく「モノ」という位置付けになります。(2017年12月時点)
モノの使用ってどういうことだ?となりますが、仮想通貨(ビットコイン)をモノとしての使用したときに利益が生じれば税金払いなさいよ、ということです。
仮想通貨(ビットコイン)で手に入れることができるものはざっくり「法定通貨、仮想通貨、商品やサービス」になります。これらと仮想通貨(ビットコイン)を交換したときに利益が出れば、課税対象となり税金を支払う必要があります。
具体的には、
①仮想通貨(ビットコイン)を売却して利益が出た
→ 法定通貨(円)に変えた
②仮想通貨(ビットコイン)の利益分で買い物をした
→ 商品やサービスに変えた
③仮想通貨(ビットコイン)の利益分でアルトコイン(他の仮想通貨)を購入した
→ ビットコイン以外の仮想通貨に変えた
ちなみに仮想通貨(ビットコイン)をもらったときにも、そのときの価格(円レート)の金額が課税対象となります。
①売却したときとは、仮想通貨(ビットコイン)を購入した金額よりも高値で売却したときの利益が課税対象となります。これは分かりやすいですね。
②買い物をしたときとは、仮想通貨(ビットコイン)を購入したときより使用するときに価値が上がっていて、その差額が利益として課税されるというものです。
タックスアンサーでは「(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)」と記載されているので、位置付けとしては為替差益みたいな感じです。
例、50万円で1BTC(=ビットコイン)を購入して3か月後に1BTCが100万円に高騰。1BTCで80万円の家具を購入した。
→ 80万円‐50万円=30万円 が課税の対象となります。
③他の仮想通貨に変えるときに利益が生じれば課税の対象となります。
仮想通貨(ビットコイン)を保有(持っているだけ)していたら税金はかかる?
仮想通貨(ビットコイン)を持っているだけなら税金はかかりません。
あくまでも、税金がかかるのは〝使用するとき″になります。
ちなみに仮想通貨が分裂することをハードフォークというのですが、その際に無料で新しく誕生した仮想通貨がもらえます。
だったら無料でもらった分に課税されるんじゃないの、と思われるかもしれませんが、その点はご安心下さい。
「もらった瞬間は課税しない」というのが、現段階での国税庁の見解です。
仮想通貨の税金ってアルトコインも対象なの?
現段階では国税庁からアルトコイン(その他の仮想通貨)への言及はありませんが、アルトコインの税金の考え方もビットコインと同じだと考えておいた方が賢明だと言えるでしょう。
つまり、すべての仮想通貨において〝使用したとき″に利益がでれば税金がかかるということです。
【2】税法上のどの所得に分類されるのか
仮想通貨の利益は基本的に「雑所得」となり税金がかかります。
私「たまがく」は税金の専門家ではないので、詳しいことは分かりませんが、仮想通貨(ビットコイン)に対して国税庁が発表した「雑所得」という結果は、たぶん私たち投資家にとって、厳しい所得に分類されたと考えられます。
確定申告を一個人がするときは、日本国が定めた収入や利益を10種類の所得に分類して申告する必要があります。
10種類の所得の分類についてはここでは説明しませんが「仮想通貨を使用して得た利益は、原則〝雑所得″に分類する」となっています。
ちなみに、私「たまがく」のような一般的な会社員の給料は「給与所得」に分類されます。給料以外の収入源がないときは、会社で行う年末調整を行えば確定申告は不要です。
仮想通貨の使用によって得た利益を「雑所得」としたときの税金はどうなる?
雑所得に分類されることは、先ほどお伝えした「会社の給与以外に収入がない人」にとっては少しだけメリットがあります。ほとんどはデメリット。
なぜかというと、所得税の確定申告の義務は、雑所得が20万円を超えなければ、必要ないからです。
つまり、一般的な会社員で、仮想通貨以外の副収入がなく、その年の仮想通貨の利益が20万円以下の場合は、所得税の確定申告義務がないので税金を支払う必要もないのです。
注意点としては、この雑所得20万円規定はざっくりとした簡単なルールであり、「サラリーマンが少ない雑所得であえて確定申告する必要はないですよ」というものです。
従って、サラリーマンでも確定申告をする義務がある場合もあるので気をつけて下さい。
確定申告をする必要がある人
→個人事業主
→住宅ローン控除初年度の人
確定申告書上に「雑所得」の欄がある以上、20万円以下でも必ず記載しろよというお話です。
仮想通貨の税金はバレない?投資家に厳しい「雑所得」のデメリットとは
まず大前提として、「所得税は所得の種類によって算出の仕方が違う」ということです。
簡単な例えでいうなら、会社員が給料で手にした金額と、個人事業で得た金額は、まったく同じ金額であっても〝認められる経費の範囲″が違うので、支払わなければならない税金は変わってきます。
雑所得が「投資家に厳しい」と判断する3つの理由
(1)他の所得と損益通算できない
(2)損失を繰越控除できない
(3)累進税率が適用される
(1)他の所得と損益通算できない
雑所得は、損益通算が認められない所得に分類されています。つまり、仮想通貨の売買でマイナス(赤字)になったとしても、その他の所得区分と合算することができないのです。合算することができるのは、年金や副業の所得など、他に雑所得となるものだけです。
(2)損失を繰越控除できない
繰越控除とは利益が出た年と損失が出た年を合わせて税金を申告できる、というものです。
(例)
1年目-100万
2年目-50万
3年目+200万
※(繰越控除を利用すると200万の利益ではなく50万の利益に対して税金がかかる)
株式の売却損などは繰越控除が認められているので、その年に出た損失を翌年以降3年間繰り越して、利益が出たときに合算して計上することができます。
ところが、繰越控除が認められない仮想通貨取引では、損失を合算することができません。
(例)
2018年 200万円のマイナス
2019年 100万円のプラス
※(繰越控除できれば、100万円の損失なので税金を支払う必要はありませんが、繰越控除できないので100万円に対して税金を支払う必要があります)涙
(3)累進税率が適用される
株式の世界では売買益に対して一律20%(所得税15%・住民税5%)を支払う必要があります。100万円儲けたら20万円、500万円儲けたら100万円が税金となります。
しかし、仮想通貨は雑所得に分類され、「総合課税」という算出方法で税率が決まります。なんと総合課税方式では、雑所得以外の所得もぜんぶ合算した金額に対して、所得税の税率5~45%(その他に住民税もかかる)が適用されるのです。利益に対して最大で45%が税金でもっていかれるということです。涙
総合課税の税率の下限が5%なので、少しの利益なら税金が安くなって良いのでは?と思われたかもしれませんが、会社の給料など全部の所得を合計した所得金額が330万円を超えると、20%の税率になって、利益が出れば出るほど税金を支払うことになります。
所得税の税率
(例)仮想通貨の利益が2000万円のとき、税金は最低でも800万円になります。
ちなみに社会保険料も上がるのでダブルパンチです。悲
ちなみに所得税法と法人税法で、基本の考え方が違うことはありません。したがって、仮想通貨を法人として保有して「仮想通貨の使用による利益」が発生した時は間違いなく課税の対象となります。
これまで述べてきたように、仮想通貨で得た利益の分類が〝雑所得″というデメリットはありますが、それでも投資案件としては、とても魅力的なのも事実です。
税金のことも頭の片隅に置きつつ、仮想通貨で資金を増やしていきましょう。