【第4話】ブラック企業時代~店長編~

会社に入社してからの約3年間を転勤先で過ごした、たまがく。

ようやく最初の配属先に戻ってきたのは良いですが、3年前とメンバーを比べてみると、たまがくが配属された地域にいた20人のうち15人は顔ぶれが変わっていました。

みんな、どこ行っちゃったの(+_+)?

さすがブラック企業!

入れ替わりが激し過ぎだろ!

さすがに、将来をのんきに考えていた、たまがくでさえもこの頃から転職を考えるようになりました。

しかし、結果的に後5年はブラック企業に勤めることになります。

そのキッカケになったのが、新しい上司の登場です。

新しく配属された上司は鬼軍曹!

実はたまがくが配属された地域は、全国でもワースト3位に入るぐらい営業成績が悪かったのです。

そこで会社が考えた対策は地域のトップを入れ替えてしまうというもの。

新しく来た上司は、現役時代にバリバリの営業マンで、たまがくのいた会社内では全国的に有名な人でした。

一言で言うと、

「プライベートは仏、仕事に関しては鬼」

って感じの人。

まあ、入社3年目のたまがくが直接関わることは少ないだろう、と考えていたのですが。

この鬼軍曹が着任早々こんなことを言い出したのです。

「これから成績の低い店舗責任者は、どんどん入れ替えて行くから、気合いを入れ直すように」

そして、本当に10人いた店舗責任者、つまり店長のうち4人が一般社員に降格が決まったのです。(降格になること自体は珍しくない会社だったが4人同時と言うのは異例)

店長が4人もいなくなると、それだけ売上が下がってしまいます。

そこで鬼軍曹が考えた方法は、取り敢えず別の社員に店長をやらせてみる、というもの。

たまがくを含む一般社員を集めて選抜試験が行われることになりました。試験と言っても筆記などではなく、単純に営業力があるかどうかを見るもの。

まあ、途中経過は省きますが、なんとたまがくは店長に選ばれることに。

たまがくは当時25歳。

普通はどんなに早くても店長になるのは30歳だったので、全国的に見ても異例の早さです。

店長職になる不安や緊張がありながらも、「最年少店長」というフレーズが嫌いになれないたまがくなのであった(*’ω’*)

しかし、実際に店長になった時から、たまがくは鬼軍曹と共に地獄の生活を送ることになり、店長に選ばれたことを後悔する日々が続くのである。

最初の月初会議で

たまがくが店長になった店には、3人の社員がいました。

先日までは3人とも先輩だった方ですが、今日からはたまがくの部下です。

たまがく→25歳

部下A→32歳

部下B→29歳

部下C→27歳

うーん、やりづらい。

だってー、みんな先輩なんだもん(‘Д’)

まあ、なんとかお店の切り盛りをがんばりながら、たまがくが店長になって1ヶ月が過ぎたある日の夕方。

たまがくはパソコンの前で会議用の資料を青ざめた顔で吐き気を抑えながら作っていました。

たまがくの会社では、店長になると毎月2回定期的な営業報告の会議がありました。

月初会議と中間会議です。

そして、たまがくが蒼ざめた顔で作っていたのは、月初会議の資料。

つまり、たまがくが店長になって1ヶ月間でいくらの売上を作ることができたのかをまとめていたのです。

マンガやドラマの主人公なら、最年少店長が初月からとんでもない売上を叩き出す、という展開もありえるのでしょうが、

たまがくは、極平凡なサラリーマン。

結果から言うと、過去最低の売上を叩き出してしまったのであった。

ようやく月初会議の資料を作って、車で本部に向かう。

途中で事故に合えば会議に出なくてよくなるな、という危ない考えが頭をよぎる。

ちなみに余談だが、実際にたまがくが入社した年の店長で、会議の前日にハダカで寝て風邪を引いて会議を休んだ勇者がいたのを思い出した。

今なら、その店長の気持ちがわかる。

いざ、会議に出席して、それぞれの店長が自分の店舗の売上を報告していく。

そして、いよいよたまがくの順番。

たまがくの報告が終わった後に、しばしの沈黙が流れた。

その後、ここでは書けないような暴言&人格否定のラッシュでKOされたのは言うまでもない。

テレビだったら、ピーーーの連続であっただろう。

はっきり言って、会議が終わったあとにトイレに言って泣きましたね。

大人になってもあんなに泣けるもんだと教えられた夜でした。

鬼軍曹の地獄の合宿が始まる!

たまがくの店長就任後1ヶ月の売上であれば、本来であればすぐに降格になるところです。

しかし、たまがくが最年少という理由から、3ヶ月の猶予を与えられることになり、店長を継続することに。

そして恐るべきことに、その3ヶ月間は合宿して勉強することになったのです。

どうやって?鬼軍曹の家で!( ゚Д゚)

今、思い出しても手が震える。

良くも悪くもたまがくの人生を変えた3ヶ月間であった。

6時に起床

7時に会社に出勤

21時に会社から帰宅

22時から3時まで鬼軍曹と勉強

4時に就寝

休みは月に1回。

ちなみに、鬼軍曹は褒めると言うことはしません。

ひたすらのダメ出し。

毎日のように自分のことを否定されたら、うつ病になりますよ。マジで。

しかし、たまがくはやりきりました。

3ヶ月間を取り切ったのです。

そして、その後、たまがくは全国最年少店長でありながら、安定的に高い売上を作る店長としてメキメキと力をつけていくのですが、それはまだ少し先のお話。

余談ですが、他の何人かの店長も鬼軍曹の家で合宿をやったそうですが、誰もやり切ることはできませんでした。

途中で退職したり、店長降格を願い出たり。

そして、たまがくはブラック企業で栄光の時代を迎えることになるのです。

第5話に続く

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